WAAP と WAF の違いとは

WAF (Web Application Firewall) は、Web アプリケーションの保護に特化したセキュリティソリューションです。Web アプリケーションとインターネット間のシールドとして機能し、Web サービスが送受信する悪意のある HTTP/HTTPS トラフィックを検出し、ブロックしてサーバーを保護します。

Web アプリケーションおよび API の保護 (WAAP) は、WAF と同様に、脆弱な Web アプリケーションや API を保護するために設計されたクラウドベースのサービスを指す用語です。このようなソリューションは、さまざまな種類の攻撃から Web アプリケーションと API を保護します。

WAF の仕組み

WAF は多くの場合、インターネットと保護される Web アプリケーション間のリバースプロキシとして機能します。また、特定のセキュリティ要件に合わせて、インライン、クラウドベース、オンプレミスなど、さまざまな環境に WAF をデプロイすることもできます。デプロイ方法を問わず、WAF はアプリケーションサーバーに到達する前にすべての受信トラフィックを検査し、潜在的な脅威から保護するシールドを提供します。

WAF の主要機能はクライアントとサーバー間の HTTP 通信を分析することです。この分析では、すべてのリクエストタイプにわたって、ヘッダー、本文、クエリパラメータなどの重要なコンポーネントを調べます。WAF は既知の攻撃パターンに一致する、または設定されたセキュリティルールに違反する HTTP トラフィックを識別します。次に、危険なリクエストがアプリケーションに到達する前にプロアクティブにブロックし、Web アプリケーションを保護します。

WAAP の仕組み

Web アプリケーションと API の保護 (WAAP) は、インジェクション攻撃、ボット、API の不正利用をはじめとする、さまざまなサイバー脅威から Web アプリケーションと API を保護するための強力なセキュリティシステムです。Web アプリケーションファイアウォール (WAF)、API ゲートウェイボット管理DDoS 保護といった不可欠なツールを統合し、システムとデータのセキュリティを確保します。

WAAP は、ネットワークトラフィック、挙動、脅威インテリジェンスを検証することで企業の Web アプリケーションや API のための複数の保護レイヤーを提供して問題を特定し、企業のデジタル資産を保護します。主な WAAP 機能には、トラフィックの監視と分析、脅威インテリジェンスの統合、機械学習および AI 駆動型の検知、行動分析、API スキーマ検証、ボット管理、アクセス制御および認証、クラウドベースのアーキテクチャ、CDN 統合などがあります。

WAAP と WAF

WAAP と WAF の最も簡単な違いは、WAAP サービスまたはソリューションには通常、WAF の機能に加えて他の機能も含まれているという点です。WAAP ソリューションは WAF を発展させ、API セキュリティ、ボット対策、DDoS 保護の機能を搭載しています。

WAAP と WAF の主な類似点

WAF と WAAP ソリューションは、次の2つの主要な領域で類似しています。

どちらも最先端の環境に非常に適応しやすい

WAAP と WAF は両方、さまざまなインフラストラクチャを保護するのに効果的です。どちらも、クラウドネイティブの動的クラスターからサーバーレスまで、進化する脅威からアプリケーショントラフィックを保護することができます。

どちらも OSI モデルのレイヤー7を保護

どちらも、レイヤー7 (アプリケーション層) の保護に役立ちます。このレイヤーでの一般的な攻撃には、DDoS 攻撃、ブルートフォース攻撃、SQL インジェクション、クロスサイトスクリプティングなどがあります。

WAAP と WAF の主な違い

WAAP ソリューションは、WAF と比較すると、追加のセキュリティ機能を提供しています。WAF はトラフィックを監視して悪意のあるアクティビティをブロックしますが、WAAP ソリューションはそれをさらに一歩進めて、DDoS 攻撃対策やボット軽減機能を備えています。

WAF は OSI モデルのレイヤー7に重点を置いていますが、WAAP はレイヤー7に加えてレイヤー3とレイヤー4も保護します。レイヤー3 (ネットワーク層) において、WAAP ソリューションは DDoS 攻撃のリスクの特定と軽減に役立ちます。レイヤー4 (トランスポート層) において、WAAP はボットトラフィックを識別し、DDoS 攻撃を軽減するのに役立ちます。

WAF と WAAP の両方が必要か?

組織に必要なセキュリティソリューションについては具体的なニーズと組織のリスク許容度に基づいて選択する必要がありますが、一般的なベストプラクティスとしては、多層的で強固なセキュリティプログラム戦略の一環として WAF と WAAP の両方を組み込むことが重要です。ほとんどの組織には、トラフィックが大量で API の多い複雑なアプリケーションや環境が存在するため、WAF と WAAP を組み合わせたアプローチが必要となります。

WAF の導入はセキュリティプログラムを構築するための重要な第一歩となりますが、WAAP は広範な脅威に対してより包括的なセキュリティ機能を提供するソリューションです。したがって、ベストプラクティスとしては両方を使用することが推奨されます。

Fastly のソリューション

多くのメリットがある一方で、包括的な WAAP 保護を実現するには課題も伴います。チームは、進化する脅威に先んじて対応しながら、複数のツールにわたるルールを設定する必要があります。Fastly の Next-Gen WAF は、こうした課題に対応し、デジタル運用を包括的に保護する統合型のソリューションを、手軽に利用しやすいパッケージで提供します。

Fastly には主に次の強みがあります。

  • 高度な脅威検知 : Fastly はコンテキスト型の分析を使用し、広範なカスタマイズ不要で高度な戦術をブロックするため、さまざまなサービスの調整にかかる時間を削減します。

  • 柔軟なデプロイ : このソリューションは、インフラストラクチャ内のロケーションやデジタル分散に関係なく、さまざまな環境全体にデプロイしてアプリケーションや API を保護できます。

  • 包括的な保護 : Fastly の Next-Gen WAF は、

  • クロスサイトスクリプティング、ボット攻撃、アカウント乗っ取り、従業員を標的にした API の不正使用の試みをはじめとする、OWASP トップ10の脆弱性対策になります。

  • リアルタイムの可視性 : トラフィックとセキュリティイベントに関する詳細なインサイトにより、従業員やお客様向けのデジタルサービスに影響を及ぼす問題を迅速に診断し、解決することができます。

  • API セキュリティ : Fastly の Next-Gen WAF では、RESTful、SOAP、GraphQL などのさまざまな種類の API の保護をカスタマイズして、運用を強化できます。

  • 統合のサポート : このソリューションは、既存のツールとの接続、管理の合理化、ワークフローへの組み込みを簡単に行えます。

  • スケーラブルなパフォーマンス : Fastly は、負荷の高い環境でも堅牢なセキュリティとパフォーマンスを維持します。

  • ボット管理 : Fastly Bot Management は、今日の先進的な Web 環境に対して、ボットに対する詳細な可視性と保護を提供します。

  • Fastly DDoS Protection : Fastly の適応型ソリューションは、あらゆる規模の DDoS 攻撃を自動的かつ正確に軽減するように設計されており、あらゆるアプリケーションや API の可用性とパフォーマンスを維持できます。

Fastly Next-Gen WAFについて学んでください

デモをリクエスト